Microsoft社が現在抱えていると思われる課題についての考察

この記事は,Microsoftが現在抱えていると思う課題について個人的に考察したものです.
2〜3年前に書いたものなのでかなり読みにくいかもしれませんが,参考になるようでしたら幸いです.注意点としては,①この記事は2〜3年前に書かれている内容であること,②私個人の意見が多分に含まれていること,この2点をご了承下さい.文字数は6,000字以上あります.また読点が多めです.
誤字脱字を発見された方は連絡していただければ助かります.

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※画像はPixabayより.



 誰もが知っているWindows.まずはそのWindowsのルーツについて少し考える.
 Windows(正式名称はMicrosoft Windows)は,MicrosoftのOS(オペレーティング システム)の製品群の事である.1985年11月に「Interface Manager」というコードネームで登場したのが原点である.
 1987年6月に最初のOSであるWindows1.0がMicrosoftより発売された.そして1995月11月に登場したWindows95が,ソフトの起動が簡単なスタートメニューや,タスクバー上に起動中の複数のアプリケーションをアイコンで表示できる操作環境がユーザーに好評を受け,一般大衆に大ヒットした.この時点でWindowsシリーズ全体の出荷本数は1億本を突破する.Windows 95の成功により,競合していたMac OS等とのシェアの差は拡大した.その後発売された様々なWindowsシリーズでは,多くの操作においてWindows 95の操作性が基盤となっている.ちなみに日本では,ネットワーク標準搭載のWindows for Workgroupsが発売されていなかったこともあり,Windows 95の発売された1995年はパソコンやインターネットの普及の元年とも言われた.
 米国時間2014年4月1日,調査会社の米ネット・アプリケーションズが発表した2014年3月時点におけるそれぞれのデスクトップOSの世界シェア率によれば,Windows 7で48.77%.Windows XPがそれに続き27.69%,以下,Windows 8が6.41%,Windows 8.1が4.89%,Mac OS X 10.9が3.75%だったそうだ.いずれにせよWindowsシリーズは世界でほぼ90%という極めて高いシェアを占めており,デスクトップ向けのオペレーティングシステムとして支配的な立場にある.そんなWindowsを生み出したMicrosoft社が現在抱えていると思われる課題を今から考えていく.
 最初の課題としてまずは,最近では周知になっている,Microsoft社が2001年に発売した「Windows XP」のサポートを終了したことについて考える.これは,具体的には日本時間において2014年4月9日以降セキュリティ更新プログラムはリリースされずWindows XPに関してのサポートを終了するというものだ.「新しいOSを是非,世界中の人達に使って欲しい」というMicrosoft社の思惑が垣間見える.またPCをはじめとするハードウェアに寿命があるように,OSにも寿命があるということなのだろう.ただし,サポートが終了するからといってすぐにそのOSが使えなくなるわけではない.それなのに世間では今Windows XPのサポート終了が問題視されている.何故だろうか.実はサポートが終了したWindows XPの継続使用には大きなリスクが潜んでいるという問題点があるからだ.第一の問題点だ.
 OSには「セキュリティパッチ」という,ソフトウェアの保安上の弱点(セキュリティーホール)が発覚した際,それをフォローするために配布される修正プログラムがある.通常はインターネットや雑誌の付録CD-ROMなどを通じて無償で配布されるセキュリティパッチは,ソフトウェア内でセキュリティホールの原因となっているファイルを,問題のないファイルに置き換える.ちなみに同時期に複数のセキュリティホールが発覚した場合や,同じファイルに複数のセキュリティホールが存在していた場合などは,1つのセキュリティパッチが複数のセキュリティホールを修正することもある.大規模なソフトウェアでは,発売から長期間が経過すると多数のセキュリティホールが発見されるため,セキュリティパッチの数も膨大になるので,こうしたソフトウェアのメーカーは多くのセキュリティパッチを順次インストールする手間を省くために,定期的に多数のセキュリティパッチを1つのプログラムにまとめて配布している.
 セキュリティパッチは,新手のコンピュータウイルスやスパイウェア等のマルウェアが次々に登場する現代のインターネット環境においてPCのセキュリティ確保の土台ともいえる存在だ.現在も別のOSで,ほぼ毎月数本という頻度でリリースされている.
 このセキュリティパッチが,2014年4月以降はWindows XPでリリースされなくなる.つまり,OSにWindows XPを使用しているPCはマルウェアに感染するリスクが飛躍的に高まることになる.新たな脆弱性や脅威に対処できなくなるのだ.この件の識者の間では,サポートが切れるWindows XPがマルウェアに感染する危険性はWindows 7の約10倍近くに上昇するといわれている.マルウェア感染はシステム破損やデータ改竄(かいざん)などの実害につながるだけでなく,最悪のケースでは情報流出に発展する恐れもある.もしそれが個人情報に類するようなものなら,ビジネスに致命的なダメージとなることはいうまでもない.
 また余談だが,話はセキュリティリスクだけにとどまらず,ビジネスPCの維持管理に現状以上の時間やコストがかかる恐れも高まるということが,2012年5月に実施された,IT市場における様々な調査レポートを発行しているIDCの調査により判明している.調査によると,OSにWindows XPを搭載したPC1台あたりのサポート時間は年間で11.3時間と,Windows 7を搭載したPCの2.3時間に比べておよそ5倍を要するという.さらにPC1台あたりの保守・運用にかかる年間コストもWindows 7の約5倍に達しており,しかもそれは年を追うごとに上昇しているという.
 ここまでで述べたように,Windows XPを利用し続ける事によっていくつかのデメリットが付きまとう事がわかった.ここで,「ではWindows XPを使わずに他の新しいOSを使えばいいのでは」,と思う人も多いことだろう.
 だがここでもう一つ大きな問題,第二の問題点がある.それはWindows XPは今でも現役のOSとして幅広い人達に利用されているという点だ.具体的には,セキュリティアップデートが提供されないため早期の移行が推奨されていた2014年3月の段階でも,先にも書いたがWindows XPは世界全体のうちの27.69%のシェアがあり,まだまだ強い影響力を持っている.その影響力は随分根強く,少し古い話になるが,あのNASA(米航空宇宙局)でさえもが,なんと少なくとも2012年頃まではWindows XPを使い続けていた事が話題になっていた事もあった.
 2012年,NASAの探査機「キュリオシティ」の歴史的な火星着陸を受け,記者会見が行われた時の話である.その席上で,NASAの科学者たちには意外な頼れる相棒がいたことが判明した.それはMicrosoftの「Windows XP」だ.ミッションの成功を互いに喜び合う科学者たちの後ろに,Windows XPの起動画面が映り込んでいたのだ.これはすなわち,当時のNASAは世界中の多くの人達と同様に,当時から数えても実になんと10年以上も前に出たOSをまだ使い続けていたという事を意味している.もっともWindows XPが探査機「キュリオシティ」を動かしているわけではないのでこの探査機とは関係のない話だが.
 実は政府機関で使われているWindowsは全て連邦政府向けにセキュリティが強化された専用のWindows,正確にはUnited States Government Configuration Baselineと呼ばれているものとなっているため,Windows XPだからといってセキュリティ上問題が発生するというわけでもなく,またカットされ続けている予算の問題もあり,NASAは当時もWindows XPを使い続けていたのだろう.だがこの件が即ち「少なくとも当時までのWindows XPの人気の高さを示す代表的な事例の一つである事を示している」のには間違いない.繰り返しになるが,あのNASAでさえWindows XPを10年以上も使っていたのだ.政府機関用と一般人用とでセキュリティのレベルに差があるとはいえ,世界中の人々も使う同じWindows XPが,地球から5,600万kmも離れた惑星に,核燃料で動く重量1トンの探査機を,見事に着陸させる事ができるほどの十分すぎる性能を有しているというのなら,今でもWindows XPを愛用している世界中の人達としては,もはやWindows XPより新しいOSを使う理由など,セキュリティ上の問題を除いては見いだすこと自体難しい話であるだろう.
 これらの観点から,MicrosoftのWindows XPサポート終了が問題視されていると私は考える.他にも様々な問題点からWindows XPのサポート終了が問題視されているであろうが,今回はそれらについては触れない.簡単にまとめると,サポートが終了したWindows XPの継続使用には大きなリスクが潜んでいるという点,そしてサポートが終了するWindows XPは今でも現役のOSとして幅広い人達に利用されているという点の二つの問題点が指摘されている.ここでMicrosoftが考えなければならない問題は,第二の問題点だ.Microsoft社が現在抱えていると思われる課題の一つは紛れもなくここにある.いかにして現在もWindows XPを利用する世界中の人達に新しいOSを利用させるか.
 私はあらゆるWindowsを使った経験があるが,中でもWindows XPは一番使い慣れやすく,さらに動作が一番安定している印象がある.この印象に偏見が入っている事は否定できないが,同じように思う人もかなりいるはずだ.現行のWindows 8.1においては画面をタッチする事で操作できる機能が搭載されているものがある.これはとても便利に感じる人もいれば,そもそもパソコンでのタッチ機能に魅力を感じない人達もいるだろう.つまり何を伝えたいのかというと,世の中には様々な人達が存在し,どのように考えるかは全くもって人それぞれではあるが,Windows XPのサポートを終了したMicrosoftには,少なくとも今でも根強くWindows XPを利用している人達に対して,彼らがどのように考えているのかも考慮した上で,それでも彼らに新しい他のOSへ移行させるという責任または債務のようなものがあるという事だ.いかにして現在もWindows XPを利用する世界中の人達に新しいOSを利用させるか.新しいWindowsを使ってほしいと思っているであろうMicrosoftに対していまだにWindows XPを使い続けるユーザーがまだまだいる現状,いかにしてこの矛盾に対処するのか.
 そして次に,もう一つの課題として考えたいのがスマートフォン市場におけるMicrosoft社の姿勢だ.
 まずスマートフォンの歴史について少し触れよう.1999年に,当時カナダの携帯電話事業メーカーであるRIM(Research In Motion Limited)社が世界初のスマートフォンであるBrackBerryシリーズを発売した(ちなみにこの会社は現在BlackBerryに社名変更している).私の知る限り,これがスマートフォンと呼ばれる携帯電話の歴史のはじまりである.その後,米Apple社が2007年に初代iPhone(GSM版)を米国で発売し,7年が経過した.その間に世界中で販売されている携帯電話は機能面などで大きな進歩を遂げ,携帯電話事情は以前より大きく変化した.初代iPhoneが発表されて以来,その後米Googleがスマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末を主なターゲットとして開発したプラットフォームであるAndroidを搭載し,さらに便利な機能やユニークなUI,高性能なカメラや洗練されたデザインなどが搭載された様々なスマートフォンを,世界中に存在する様々有名企業が次々に開発した.いずれにせよカナダのRIM社と米Apple社が現在のような巨大なスマートフォン市場を作り上げたのは言うまでもない.
 実はMicrosoft社も現在このスマートフォン市場に乗り込んできている.ただ,RIM社のBrackBerryを除いた他のスマートフォンと比べ,大きく出遅れていると私は考えている.米調査会社IDCが2013年2月12日(現地時間)に発表した2013年第4四半期(10~12月)時点のOS別世界スマートフォン出荷シェア率によると,米GoogleのAndroidと米AppleのiOSを合わせたシェア率はなんと95.7%であった.これはつまり,Microsoftが現在独自に開発し提供しているOSとハードウェアプラットフォームのシリーズであるWindows Phoneの世界でのシェア率はたったの5%にすら満たないという事を表している.
 このままでいいのだろうか.なにより問題なのが,Microsoft社のスマートフォンであるWindows Phoneが発表され世界にデビューしたのが2010年2月15日ではあるが,地域別に見ても,提携先であるNOKIAの本社があるフィンランドでは20%越えのシェア率があるが,欧州5ヶ国(イギリス,ドイツ,イタリア,フランス,スペイン)では最高で10%台(9.2%)のシェア率,自社のあるアメリカだけで見ても最高が2011年1月の時でなんとたったの8.0%であり,フィンランドを除いては地域別に見てもシェア率で過去に10%台を超えた事が一度もない事だ.さらに最悪なのは,デジタル市場分析で世界をリードすると自負しているcomScoreの調査によれば,アメリカにおいては2011年1月の8.0%のシェア率以来立て続けにシェア率を下げ,2013年2月の時点で既にアメリカ国内だけで見てもなんと3.2%までシェア率を下げた事だ.
 このままでいいのだろうか,いや決してそんな事はないはずだ.スマートフォン市場に進出したからには,Microsoftは資本主義の基本理念に基づき自社の製品の売り上げを少しでも伸ばす事を考え,かつ結果を出していく必要があると私は思う.世界でのシェア率を上げる事だけが課題なのではないが,そうしなければスマートフォン市場に進出した意味を問われてしまうだろう.つまりは明らかに矛盾してしまう.
 スマートフォン市場におけるMicrosoftの今後の経営方針をどうするのか.これから先Windows Phoneをどのようなものにしていくのか.これらこそMicrosoftが現在抱えていると思われるもう一つの課題であると私は思う.
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